厚生労働省は、2026年6月1日から、患者都合による予約キャンセルのキャンセル料を、実費として患者から徴収できるようにしました。ただし、すべての医院でキャンセル料を取れるわけではありません。対象になるのは、選定療養の「予約に基づく診察」(いわゆる予約料)を届け出ている医療機関だけです。普通の予約制のクリニックは対象外です。今回の改正で、自由にキャンセル料を取れるようになったわけではありません。
予約料を届け出ているのは全国1,034件です(令和7年8月1日時点)。制度開始前の集計なので、今回の改正によって届出が増えたことを示す数字ではありません。厚生労働省の資料には、医科・歯科別の内訳もありません。
今回の変更は、2026年3月27日の通知で決まり、6月1日から適用されました。ポイントは、診療報酬が新しく付いたわけではなく、一定の条件を満たせば実費を取れるようになったことです。キャンセル料を取れるのは、次の4つをすべて満たす場合です。
- 選定療養の「予約に基づく診察」(予約料)を届け出ていること
- 患者の都合によるキャンセルであること
- 診察日の直前のキャンセルであること
- 予約のときに費用がかかることを説明し、同意を得ていること
なぜ「すべての予約で取れる」と受け取られたのか
原因は、3月の通知が「一般の予約診療でもキャンセル料を取れる」と読める表現だったためです。厚生労働省は5月29日に、訂正の通知と疑義解釈の事務連絡を出しました。上野厚生労働大臣は同日の記者会見で「そもそも予約料を取っていない場合には、キャンセル料はもちろん取ることはできません」と述べ、一般の診療まで対象と誤解されかねない表現だったとして訂正し、現場の混乱を謝罪しています。
対象外の医院が確認しておくこと
予約料の届出をしていない医院は、今回の制度を利用できません。キャンセル対策をしたい医院は、まず予約時の説明や同意の取り方を見直す必要があります。キャンセル料を検討するなら、金額だけでなく、いつ説明し、どう同意を残すかまで決めておきましょう。
同じ改正で追加されたシステム利用料の記事をみる →
キャンセル率の目安と損失額の試算をみる →
予約システムの費用相場と選び方をみる →